[戸惑いと動揺の色を隠せない娘。と、その他に、ドス黒い“何か”は、世の嫌われ者であろうアーヴァインに対し、言葉を放ったのだ。] 『アーヴァイン、ユーリエに手を出したら、永久に苦痛を与えるからなっ! ずっとずっと呪ってやるからなっ!』[別段そこまで黒くもなかったかも知れない。が、ユーリエは口を動かしてないし、もしこの“声”らしきものが聞こえたならば、彼女とは違う低い声だっただろう。そんな事を知らぬ娘は、貰った水を飲み干し、静かに空いたグラスをテーブルに置いた。]