―仮想現実のその後で・生死の境を彷徨いながら2―
…ずっと、ずっと聞こえてたの。
[うわごとのように呟き。
思い返すのは、仮想現実推理劇ゲームブック
『穏やかなる日々、幸福なる罪─Felix Culpa─』での出来事。]
カークおにいさまが本物の占い師なんだって声、はっきり聞こえてた。わたしが監視者なんだもの、当然じゃない。
ウェルおにいさまも信用を取っていたけれど、カークおにいさまと繋がらなかったらカークおにいさまの結果を取った。
…ここまで確信出来ていたのに、監視の手をずらしてしまったこと。
いまだに、後悔しているの…ごめん、なさい…。
周りに必死で訴えても、あんなに声が届かないのはじめて、だった…。
[目頭が熱くなる。…泣いてるんだ、今。]