[思い込みたい、思い込ませて――信じたい、信じていたい
人間はたやすく、結論を思いで塗り替える]
単純なお前が、そこまでいうなら
そういう可能性は――あるかも、な
[そのわずかな可能性に縋る]
……どんな思いで嘘をついたのか
何となくは、理解はできる
[大事なものがあるのなら。其れに置いていかれる位なら
いっそ殺してでも。その手に収めてしまいたいと
違うかもしれないけどな、と笑う
ああ、なんだ両想いかぁ。と
ディーターの言葉で察した己は、笑う
寂し気に、微笑まし気に笑った
狡いお前は馬鹿正直で、隠し事は不得手で
そんなお前が、真実にブラインドを落としてゆく]