― 貨物室 ―
……、……酷いわね。
[数秒固まった後、絞り出したのはその一言。
無残という言葉を表現しましたーと言わんばかりに広がる血の海。
中には、見知った顔ばかりが並んでいた。
そしてその血だまりの中に、レストランで話したアデルの姿。
メリーがダウンしてから、立て込んでいて、メイン・サロンで姿をちらと見かけたのが最後だったように思う。
背中から抉られたような、思わず目を背けたくなるような大きな傷跡>>2:396 に胸を痛めつつ、血を踏まないよう、現場を荒らさないよう十分に注意して、近づく。
そして、目を閉じて、手を合わせた。]
お店に寄ってくれるっていったじゃない。>>0:241
[そう言って、まだぬくもりの残る頬を、一つ撫でる。
血文字に気付けば、余りに趣味の悪いその言葉に、眉を顰めた。
だって、よい夢を、だなんて、恐怖をもって殺したやつの書くことじゃないでしょう?]