[バールを一先ず自室へ持ち帰り、今度こそ応接室へと辿りつけば、上官が部屋から出てきた所であった。>>35]
バルタザール中尉。
ご報告申し上げます。
[敬礼をし許されれば一礼した後、一歩距離を詰める。周りに気を配りながら声量を落とし。]
通信機の不調は変わりありません。
恐らく今後も本土との連絡は取れないと思われます。
本日、船が到着すると思えば、…左程気にする事もないとは思いますが。念の為。
[その様な事を話しながら、上官の顔色が優れないように見えて。]
恐れながら中尉。
…ユーリエ女史の容態は如何ですか?
[と昨夜から気になっていた事を尋ねる。そこで彼女の死を知れば、息を飲み込み蒼ざめ絶句するだろう。
そして周りに人がいないようであれば、「感染菌」の保有の件、そして免疫の有無について尋ねる事にする。]