[ 個々人の運命はいくらでも変えられる。
だが、人間という種族、
世界と言う巨大なものの運命を変えるのには、
腐った患部を抉り取るような、大きな処置が必要になるのだ。
そんなことは青臭いヤコブには出来ない。
テオドールでなければいけないのだ。 ]
本来死ぬはずだったのは、シェットランドだった。
俺がある男を消したせいで、ふたりの運命はどこかで入れ替わったらしい。
[ 魔女が命を散らしながら放った強力な魔法を、
テオドールは書記官を身代りにぶつけることでかわした。驚愕の表情を浮かべたまま、書記官は絶命した。 ]