――その後・カシムの部屋にて――
[汚れた口元を拭い、クレステッドの背を追い掛ける最中、扉を潜る手前で一度足を止めて、>>28>>29ジェフロイに振り返り]
…――状況が変わった、喰いたい訳でもない、美味いとも思わない、
けれど……ただ喰われるより、やる事が出来た。
もう少し、生き永らえる理由が出来た。
[カシムに群がり血を啜り肉を貪る、生々しい水音に紛れてしまう程度の独白じみた呟き、それでも一瞬は手放した正気を取り戻したように見えた彼には届くだろう、届かなくても構わないけれど]
…――ジェフロイ、お前にはそんな「何か」があるか?
もし、あるなら、…お互いに、阻むものでなければ、…協力できるものであるといいな。
お前の事は嫌いじゃない…。
[語り掛け、問い掛け、けれど返答を必要としない声音で。反応を伺い見る事も無い侭、再び背を向け歩き出せば、すぐにその背は廊下の向こうへと消えて行き――…*]