[ツェーザルは急いで全身を左に転がして、斧の下から逃れた。肩で大きく息をしながら立ち上がる。掌の鮮血が指を伝い、ぽた、ぽたと、地面に赤い水玉模様を描いた。ずきずきとする痛みがある。両手が失われなかっただけマシだが、かなり傷は深そうだった。] すま、ん クレ ス…―― 恩に、着る、… ッス[彼が来なければ、命は無かった。それだけは間違いない。]