―0日目・PM8:00・中庭―
……スムースコート?
[実のところ、相手>>36の供述が嘘でも真実でも、暇が潰せるのならどちらでも良かった。けれど相手の苗字を聞けばひどく懐かしく感じて、その名を繰り返しながら顎に手を当てて考え込む。社交界には滅多に顔を出さない自分の脳裏に刻まれたその名。暫し黙り込んでいたが、その理由に辿り着けばはっとして]
そうか、あの家の。
僕、君のお父上に稽古をつけてもらっていた時期があるよ。
[過去を語りながら表情は次第に曇っていく。ついに盛大な溜息まで吐き出せば横目に相手をちらと見て]
君に……というか、スムースコート家に召喚術なんて要らないでしょ。
僕はこの子と一緒でも、一度も勝てなかったよ。