― 回想・出立前 ―
[オクタヴィアスの演説の最中、ふと視線を感じて振り返る>>0:333
と、こちらからは見知った赤毛の女の姿が目に入った。
見知ったとはいうものの、私的な付き合いがあるわけではない。
同じ仕事が入って、その為の言葉を交わしたことがあるというくらいの縁だ。
傭兵は男世界だから長くて美しい髪の色の女なんて、一度見てしまえばその気がなくとも覚えられる]
確かガートルードとか言ったか。
[この場にいるということは彼女もこの戦いに赴くということか。
と、自分を見て笑っているような気がする。
そっと後足で下がりつつ、彼女の側にさり気なく近寄ると]
……今、俺を見て笑ってなかったか?
[それもからかうような笑いかただ]