― 綿菓子の屋台 ―
[>>20話し掛けられた翼竜といえば、問われてもクル、と喉を鳴らすだけで。
一心に綿菓子を見つめていて呼び掛ける青年に見向きもしない。
こんな事なら先輩に様子を見て貰っておけばよかったとは思ったものの、屋台のカステラを食べられても困る。
騎竜も食べられるように花蜜を使っているから害はないが、相棒は好むものはいくらでも食べるのだ。
試食で貰っただけ食べようとして止めるのが大変だったのが思い出される。
>>21青年が屋台の前に向かって注文すれば、店番をしている生徒が作り置きの綿菓子を出してくれた。]
ありがとう。
[青年は抱えていた荷物を片手で抱え直すと代金を支払う。
受け取った綿菓子を騎竜に与えれば、嬉しそうに食べ始めた。*]