― 街中・広場 ―[柔らかなアルトが石畳の間に落ちて溶けゆく>>20弦の響かせる最後の音が宙に溶けきるのを待って、青年はゆっくりと手を叩いた。同じく時を待った人々の拍手が暖かく辺りに響く。 やあ、素晴らしいじゃないか。そんな風に話しかけてきた人に笑顔で同意の頷きを返し、また熱心に語られる冒険譚に目を輝かせた。]