[流れる髪は見事な金髪。軍服の階級章はこの位置からは見えないが、ここにいるとすれば書類にあった記録官なのかもしれない。無意識に足が半歩後ろへ動く。苦手だ。悪夢を思い出す。特にあれほど輝く月に映えそうな色は。] ―――っ、失礼。[固い声でそれだけを言うと、彼女から視線を反らそうとした。]