[玲緒が頷けば席を交換する。首を横に振るならばそのままに。]わ…。[やがて富士山が見えれば其方に視線を向ける。晴天のお蔭で美しい稜線がよく見えた。青々とした山体の、山頂近くは薄い雪化粧を纏っている。霊峰であるあの山には修行という名目で何度か行った事があった。うっかりと遭難しかけた事は今では笑って話せる思い出だ。詳細は言えないけど。]