―そして―
ああ、いたいた。
……なんだよ、お前らまだ成仏してなかったのか?
[最後の出兵直前の姿で、男は、親友と娘に片手を挙げた。
あの一件以降、悪夢も見なくなり、聲も次第に聞こえなくなっていた。
それでも、その気配は時折感じていたから、
きっと、傍で見守っていてくれるのだろうと思ってはいたけれど。
……本当にいてくれたのだと思ったら、真っ先に飛び出したのは昔と変わらない軽口]
……へへ、
悪いな、待たせた。
[それでも、親友や娘の顔を見渡すと、くしゃり、どこか気恥ずかしそうな笑顔を浮かべて。
かれらの元に、足を踏み出した**]