なのにどうして――…… 私は、また、誰も護れない…っ!?[血を吐くような慟哭は、三つ目の月への咆哮のように。 人間の姿をしているだけの獣に、泣く資格はない。 役立たずの心臓は、いまも役立たずのままだ――… ただ、大切な人達を守りたいと願っただけだったのに。 その感情が強ければ強い程、裏返しのように湧き上がる。 奪った存在への、哀しみ混じりの怒りと憎しみ。 奪った存在――…“人狼”への。 ]・