[しかし、同時に思うことは。
この思想を持つ彼が、このまま人間社会で幸せに暮らすことは出来るのだろうか?
今思えば一瞬脳を過ったこの感情が、ガルーを呼び起こさせていたのだろう。]
[外に出よう、とセルウィンを誘った俺は『俺』のはずだった。
だが、今思い返すとそれすら真実なのか分からない。]
[アリーセの遺体を発見し、倒れた後目覚めてから以降、何故体調が良かったか。
簡単なこと。それは多少であれど血肉を搾取できたから。
されど所詮はその場しのぎ。
寧ろ、この「多少の搾取」が起爆剤となり、
ガルーとしての本能が外に出ることを欲し始めていたのだ。]