― 南島戦場付近 ―[里での動きが慌ただしさを増し始める頃。山野に紛れ、騎士団の動きを追っていた里の若者たちは、二つの勢力の激突を目の当たりにする事となる。無闇に手を出すな、と言われている事、それ以前に──場の空気に、呑まれかけ。距離を開けて、その行く末を見守るのが精一杯となっていたのだが] 『……これが』 『外の、戦い……か』[勝敗が決する頃、零れた呟きには微かな怯えの色がある。彼らが里へと伝令の翼を放ったのは、鳩>>29が飛び立ち南の空を離れた後の事。*]