――人を殺すことに慣れるということは、己の命の価値すら見失うこと。生き残るために成るものじゃない。 [ふとヤコブとシモンのやり取りを耳にしたならば、丁度考えていた話題と一致したために呟きとして己の喉から漏れ出した。 それの声は小さく、談話室にいた人には聞こえただろうか聞こえなかっただろうか。どちらにせよ気にすることではないと、目を閉じて静かに意識を埋没させた。]