― クレメンス邸 ―
おや、……もっと意外そうな顔をするかと思っていましたよ。
[>>36 アレクシスの予想と反して、銀糸の副官はどこか達観したような顔であった。それは副官としての表情ではなく、色々な歴史を辿ってきた者の、表情。]
私が信じるのは―――……巫女姫、ただ御一人だけですよ。
[興味深そうにその戯言を聴きながら、幾分表情を緩める。今まさに諍いが起きているというのに、我ながら呑気なものである。]
けれども多くのナミュールの民は。
特に南方の方ではそれを望む者ばかりではありません。
そして、その存在が脅かされているからこそ。
こうして今、内戦が起ころうとしているのですよ。
[然し、と。言葉は区切り、]
巫女姫がご存命であられるならば
私は、――――……