今を受け入れる……。[ゆっくりと目を開き、指の隙間から離れていくクロイツの背を見送った。思考はぐるぐると回り、深くへ落ちて行く][自由にしてやろう、と血親は言った。独立し、親元を離れる試練なのだと紅榴候は言った。離れたい、と思う「俺」が居る。いやだ、離れたくない、と思う「私」が居る]