――彼が殺さなかった兵は、君達や部下、内地へ入りこまれれば、家族までをも殺しに来る兵かもしれませんが、それは構わないのですか。彼が首を落とさなかった兵が、命が尽きるまで敵地でもがき苦しむ事になるのは…それは良いのですか。[ざわついていた馬上の声がぴたりと止まる。]