[傍にいるダーフィトに声をかけられ、私は漸く我に返る事が出来ました。
この緊迫した状況下でも落ち着き払い、同じように怪我の痕の残っていたダーフィトを疑うことはなく、さすが頼りになる「先輩」だと、信じ込んでいました。]
先生、大丈夫でしょうか……。
……っ! それより、ダーフィトも怪我……!
[頬の切り傷だけでなく、その他数箇所に見える外傷。
武器庫で別れた後、彼も戦い続けていたのでしょう。
彼が必死に戦っていた時、私は何をしていたでしょうか。
逃げ惑い、助けられ、安全な場所で休憩していたことを思い出します。]
(……ああ、私はどうして。
何時も何時も、大事な時に限って何も出来ないの。
あの時だって、そう……。)