[ドロシーを見送って、シュテラも仕事に戻った後。
独りの部屋で暫し、開かない扉をじっと眺める。
不意に、そこから人を追う様に視線を動かし始め、正面でぴたりと止めて…訪れた目に見えぬ”誰か”へ、にこりと微笑み掛けた]
やぁいらっしゃい。…って言うのはおかしいか。
うーん、おかえり、かな…?
[誰も居ない空間に、手を伸ばす。まるで其処にいる誰かに握手を求めるように。す、と掌が空を掻いて、一瞬驚いてから、可笑しそうに笑った。
傍目にまるで幽霊でも見えて居る様に見えただろうけれど、その光景を見るものは誰も居ない**]