[そのまま、数秒。じっト睨むように光を凝視すルも、やはり変化は見られナい。]
(……、気の所為、カ?)
[静カに、静かに。不気味ナ程に何の音も立テずに空を割く黒光はを眺めナがら、胸に広ガルのはじわりトしタ――嫌悪感。
そうしテ、一歩。注意深く足を踏み出しタのナら。]
――……ッ!
[突如トしテ荒れ狂う、闇の奔流。空を割く闇は瞬時に空全体へト広がり、渓谷の全テを飲み込んで行く>>1。
そしテそれは、自分達をも。這い寄ル闇カら逃れル事も出来ずに唯々その奔流に飲まれれば、感じルのは悍まシい程の寒気。
――そんナ中。意識すら奪われそうな瘴気に呑まれナガら、低く惨烈ナ聲>>2を聞いタ。
薄れ行く意識の中、自分の失態ト悔恨の念に唇を噛み。必死に腕の中の女神を決しテ何処にモ逃がさぬ様にト、強く、強く抱き締めタ。]*