― 嵐の前/「蛟」 ―
『キューィ』
[ 乗艦となる「蛟」の姿を…というか、その見張り台に居た艦長代理の姿>>0:136を先に見つけて、声を上げたのは騎竜の方だった。向こうでもこちらを見つけたのだろう、笑顔で手を振る姿にディークも手を振り返す ]
遅れてすまーん!...てか、ヤクモ、落ち着け!見張り台に居る人間にじゃれついたらあぶねーから!
[ しったぱったと長い尾を振って、ガートルードに擦り寄っていかんばかりの相棒を宥めつつ、甲板へと降り立つ。
陽竜とも呼ばれる名の通りに、明るく人なつこい気質のヤクモは、「蛟」の本来の艦長にも懐いていたが、その娘の方も殊の外お気に入りで、姿を見るだけではしゃいでしまうので、毎度こうして宥めるのも既に慣例となっていた ]