[仕えていた貴族の家の竜に見初められることを繰り返し
迷惑をこれ以上重ねるのを避ける為独立した家は
仕えてきたこれまでの恩を忘れることなく
今も折々の挨拶は欠かさずにいて。
今日の来訪も、その挨拶の為だと聞かされたその場で
兎を狩った少年がその恩ある貴族の家の子だと教えられた。
今までお姫様よろしく扱われていた娘は
ようやく自分が特別じゃなかったことを知らされて]
……しつれいなことして、ごめんなさい
シェンさま。
[ぶす、と不貞腐れた顔で謝ったものの、
更に両親に怒られることとなり。
少年のせいで怒られた、としばらく拗ねたこともあったが
長い目で見れば、このおかげで
ワガママ放題のまま育たずに済んだのだから
感謝するべきかもしれない**]