――記録保管庫――
[先ほど記録官という名をみたこともあり、指導に使える内容があるかもしれないと、記録保管庫を覗く事にする。
前線では生命線の情報も、この緩やかな空気ではどれほど重宝されているのだろうか。保管庫を一瞥すればある程度の見当はつくはずだ。
誰かが先に来ているのか、部屋の鍵は閉まってはいない。不用心だなと思いながらも体を滑り込ませ、外よりいっそう静かな部屋にコツリと足音を響かせる。
記録庫はざっと見る限りさほど厳密には整理されていなかったようだが、保存の具合はよく古いものも閲覧は出来そうだ。
まだこれほどの紙媒体があるのだなと驚きながら足を進めれば、奥に一人の先客がいた。>>38]