― ・・・ ―
[街が燃えていた。
街は天と地上の炎に焼かれ、呑まれているように目に映る。
それは心の映した景色だったかも知れぬ。
けれど男の目には確かに、落ちる城砦と無残にも引き降ろされる旗と、その向こうに命を散らしたであろう主の姿が見えていたのだ。
傍らには主の息子、己が助け守るべき少年がいる。
静かに落とされた問い>>3に、男はきつく、きつく拳を握った。
片手には愛用の槍がある。
けれどそれとて、今は何の役にも立ちはしない。
主を助け、少年の問いを否定するための道具には成り得ない───]
………、は。
若はこれより、ラモーラルの新たなる主におなりです。