[ 弟と重ねていたからでなく、 故郷すらもたず、地獄のような、暗闇の中で育って 苦しみも痛みも絶望も知りながら――・・・ 短い命の灯火を燃やしながら それでも――…誰かを守るために、笑える彼が。 その柔らかな強さが、眩しかったから… 残り僅かな命の灯火が愛おしかった。 消えないよう大切に掌で包むように――…護りたかった。]