[神経質なほど執拗な羽繕いは、やがて自咬に変わる。風切羽根を食いちぎり、羽毛を毟って、翼の内側の地肌が切れ切れに見える頃になって、やっと落ち着いて来た。翼をきちんと閉じ、腰を落として手すりに座る。 バルコニーには黒い羽根が散らばっていた]