[ 白い獣達のうち幼く見える数匹は、何故か天使の姿を見つけるとわらわらと群がって来て、めえめえ、きゅんきゅん、にゃーにゃー、わんわん、きゅいきゅい、と様々な鳴き声を上げながら擦り寄ってくる ]
いったい、どうしたというの?
[ これが聖者や殉教者であるなら、或いは獣とはいえ意志の疎通も可能かと、尋ねてみても返事は返らず、段々と増えてくる獣に埋もれかけていたところで、天使長に声をかけられた>>22 ]
私は、今日、神の憂いの吐息より生まれた天使シェットラント。
あなたのことは判ります。天使長ジークムント様。
[ よじのぼってきた白い子猿を、落とさぬように腕にかかえ、天使は素直に答えを返す ]
彼等は箱船から降りてきました。
獣にも聖なる教えに導かれて聖者や殉教者となる者があるのでしょうか?
[ 白い獣達は、いまのところ、肉食獣が草食獣を狙うという事もしない。
どこか普通の獣とは違って見えたから、そんな風に言って、首を傾げる。
天使の腕の中にいた白い猿が真似るように、きき、と鳴いて首を傾げた** ]