― ??? ―
『人の生死は運命で決まっているの。
莉紗ちゃんを、あの時の犯人から助けたとする。
でも、その直後にトラックに跳ねられるとか、心臓麻痺を起こすとか……別の要因で、結局は死んでしまうのよ。
その運命を捻じ曲げる事ができるのが、貴方の恩恵なのよ。
余程神がかった力を持っていない限り、莉紗ちゃんの死自体を回避することはできないけれど、死の直後であれば、貴方と入れ違いに現世へ召喚することができるの。
……10年経ったこの現代じゃ、肉体も魂もまともな形で残っていない。
だから、アウトなのよね。』
[ここまでわかりやすく「死ね」と言われると、いっそ清々しくも感じる。
というか、ある意味自分への殺意しか感じない契約者の説明が、真実かどうかも本来は怪しむべきなのだけれど。
――いや、少年にとっては嘘でも構わないのだろう。
あの日からずっとずっと抱いてきた、死への願望が叶うなら*]