人狼物語−薔薇の下国

469 グラムワーグ・サーガ3 〜反撃の嚆矢〜


魔王 カナン

[すべてを見下ろす位置で、魔王はまだ玉座から動かずにある。
高い視点の利で、こちらへ向かってきた人間の火はだいぶ前から見えていた。
遠くで微かにちらつく火は、宿営地の灯りだろう。

人間たちにとっても、偉大なる魔王の居城は良く見えたはずだ。
明かりを持たない魔軍の中にあって、聳え立つ巨大な兵器は魔導の光を帯びている。
魔王自身もまた、魔力を淡い光として纏っていた。

大地から滲み出る火が闇夜に映えるような灼光。
魔界の太陽の、斯くの如し。]

(39) 2017/02/01(Wed) 16:16:39

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