―三階・ダンスホール―
[踵を落とす度に、月明かりに照らされた埃が砂のように舞い上がる。
きらきらと周囲を灯らせては、靴跡の軌跡に模様を変える塗装された床に視線を落とした。]
………随分と、古い建物、だな。
さっきの森と比べて、別世界みたいだ。
[先程まで探索していた森は、狼や、蠢く蔦、また毒々しい色合いの花が多く繁殖していたようだが、その名残はここにはない。
代わりに脊髄を伝って感じる冷気に、ゴーストの類が多く存在するのだろうと踏んでいた。
だが、運が良いのか。
それとも他の冒険者がいるのか。
襲われることは今はなく、辺りを見渡せているわけだが]