―回想/昨夜・自宅―
[夜風が冷たく感じた。日中は暑いかったから丁度良いとそんな風にはオットーには思えなかった。
家に着くと直ぐに横になってしまう。寝台の上で思い出したのはヤコブとヨアヒム・オットーで過した幼少の頃。
3人が宿屋に集まった時に嵐にあった事件があった。嵐の中帰るのは危険なので皆でお泊まりにする事になった。
確かその夜は雷が酷くって怖がりのヨアヒムは震えていたんだっけ。当時の自分も雷は苦手でヤコブに一緒に寝てくれるようせがんだんだ。
勿論オットーが素直に「怖いから、一緒に寝て。」なんてお願いする筈もなく、「ヤコブも雷怖いだろ、ぼくが一緒に寝てあげてもいいよ。ヨアヒムが雷は怖いみたいだから3人で一緒にねよっ。」と半ば無理矢理ひとつの布団で3人で寝た筈だ。
丘の上の大樹に登ったり、森の小川で水遊びをしたり。
時折シモンも引っ張って来て三人で遊んだなあ…としみじみとする。
そんな事を考えている内にいつの間にか眠ってしまっていた。]