[――――刹那、 鳴り響く鐘の音。誰が聞いてもおどろおどろしいそれは、好むどころか苦手な部類だ。背にした窓から薄暗く入り込む光は、薄い人影を作り出す。俺の影であるが為、俺に酷似する筈の影は正面ではなく背後へ深く深く、映った。] ……あー、背中取られちゃうとかやだやだ。 俺はアンタのことが嫌いだ、それは一生変わらない。[影はゆらり、ゆらり。 腰まであるかの長い髪を棚引かせ。影はふわり、ふわり。 パニエを緩く揺らす。]