― 王都・広場 ―
[集合場所から少し離れ、露店の集まる場所、正確には王のいる場所へと歩いていく。
活気あるその場所は、自国で得られる畜産物や海産物を始め、交易にて仕入れた作物や嗜好品など様々なものが並んでいた]
そう言えば……そろそろ移動する頃合いでしょうか。
[畜産物を見て思い出すのは両親を始めとした家族のこと。
遊牧による畜産を営んでおり、時期によって移動を繰り返している。
移動をすれと、今この辺りにいる、と連絡が来るのが常だ。
数日もすれば、きっと手紙が届くことだろう]
一段落したら、顔を見せに行きませんとね。
[近衛に任ぜられたことは手紙で伝えてある。
けれどやはり顔を見ての報告はしたかったから、いずれ休みを取って里帰りしようと考えていた]