[朝食も食べ終わり、雑談をしながら村の入り口へとたどり着いたのは昼も過ぎた頃だった。疲れは体したことは無いものの、かなりな空腹を感じていた。とりあえずは何か腹ごしらえだろうか。そんな考えと共に村へと入ろうとしていたのだが]
……シュテラ。どうした?
[普段はあまり見せない表情に、男はわずかに首を傾ける。さほど警戒した様子がないのは、殺気などは感じていないからだった。
一歩前に出た少女をやや後ろから見やりながら、向けられた言葉にこちらも表情を引き締める。]
なるほど……、魔のものを呼び寄せる何か、か。下手に近づくと危険かもしれないな。
だが、お前は誘われるような気配は感じていないようだが…?
[むしろここに来るのは気が進まないようだった。それとも、ここに集まるように促す何かの合図のようなものなのか。
従属する少女が促す先にいる人影の向こうから、幼い子供の声が聞こえたが、姿はない。首を傾げながらも向こうが特に反応を示さないのなら、此方からあえて刺激する必要もないだろう。]
…とにかく、まずは昼飯を確保するぞ。
[そう告げては、村の案内板へと近づこうと]