[一瞬、その視線がベリアンの上から逸れていた。小さな音>>35にフッと引き戻され]……ハ。[笑ったのだか、驚いたのだか。どちらとも取り難い声を洩らして、右手の剣を引き戻した。右足で馬腹を軽く蹴り、頭上から降ってくる一撃にこちらからも刃を当てに行く。ジャ、という鈍い音が響いてすれ違った]君は、随分と甘くなったかい?以前なら今の一撃で、私の頭は割られていただろう。[抜けた先ですぐさま反転。揺れる心を言葉で覆いながら手綱を操るのではなく左手を僅かに動かし、右の剣も構え直した]