― 昔話 ―[ 旧い友人であり、貴重な飲み相手でもある デズモンド・チェンバレンが子供を拾ってきた。 いや、きた。と 他人事のように言うのは正確ではない。 正確には――"連れて来た"。 齢十にも満たないほど痩せこけて 小さくて、無表情な色素の薄い瞳で 此方をじっと見上げてくるような、 子供らしさの欠片も無い少女。 何故連れて来たのか、と 勿論尋ねたし、不機嫌を隠しもしなかった。 それが、何故少女《ローレル》を引き取ることになったか。 ]