[兎は向きを変えて後肢で跳ねる。戻った。門へ。出て来た場所へ。跳ねて、跳ねて、途中で人の形に戻る。走る。月光の下、もつれるように駆けて、閉ざされた城門へ、バン、と体当たりした。火花が走る。鎖はもうなく、手枷だけがジャラと鳴った] ぁ、ア… あ ああ、ぅ あけ テ、 ここ、 あけて!