[前方の敵戦艦が前進を止める。主砲がこちらを向いたのを見て、扶翼官はわらった。] 避ける気はない、ですか。タクマ・ナギ。 いいでしょう。[こちらが拳銃を突きつけたあの時とは違って、今は双方が、互いに主砲を突きつけている。直撃を受ければ、あちらはともかくこちらは無事ではいられまい。それとわかっていてなお、速度を緩めることはしなかった。] ……どちらの悪運が強いか、試してみましょうか。[そしてザイヴァルは、衝突の手前でわずかに、ごくわずかに舵を右へと切る]//