[残った人形達に魔力を送る。感覚はまだ繋げない。
内臓した武器を発動させる為と言えども、人形達の中にあるのは
小さなそれぞれの色を湛えた魔法石。
それらに魔力を与える事で、秋の人形は髪が針金に変化して
魔物を縛り上げては切り崩した。
冬の人形はスカートのフリルから無数の刃を発生させ、
ドロシーの風に乗って高速で回転しては罠に斬りかかる。
笑顔の全く崩れない、戦いの舞踏。
それが行えるのも、タチアナが率先して様々な異常を
発見し、伝えてくれるからだ。]
……タチアナ、くれぐれも気を付けて。
[きょろきょろと視線を巡らせる後ろ姿に声を掛けて、
人形達の操作に戻る。]