―2日目・AM9:30・第五訓練場―
[時間にすればほんの数秒。>>37
だが自分にはそれの何倍、何十倍にも感じられた。
頭の先から痺れるような、甘く蕩けてしまう感覚に思考が追い付かない。
胸の奥がじんわりと温かく、同時に不安を覚える感情に酔ってしまいそうだ。
穏やかな道…きっとそれは確かにあったのだろう。
でもそこに貴方は居ない。
ならばそんな道は要らない。貴方が欲しい。
たとえ貴方の気まぐれだったとしても、私は…俺は囚われていたい。
それの証明として、こちらからもお返しに唇を重ねた。
相手よりも長く、離れる時も名残惜しそうに軽く吸い付いてから]
…そちらこそ、見逃さないで下さい。