[雄叫びと共に、ひゅんと風切音が鳴る。
無防備な背を庇うよう片足を軸に身体を捻るも、
数秒の隙をも許さぬ次撃はすぐ傍まで迫っていた。
咄嗟に剣先を下げ盾腕を引き付け胸元を庇おうとするが、
彼の一撃は疾く、間に合う速度ではない。]
[ギィィンッ―――と鉄の音が響き、そして]
………は……っ
う… ぐ…… ッ
[敵兵の弓や槍先を度々弾いてきたバックラーは
この殴打によって、真っ二つに破損した。
剣先の突刺だけは辛うじて免れたものの、
長剣の腹は強かにエドルファスの胸を強打し、息が止まった。]