其方の方に用が無くとも、私には聞きたいことがあってな。[ この場に用は無い、という氷華に薄笑みのまま告げる。ハルトに胸ぐら掴まれたままでは、威厳にも真剣味にも著しく欠けてはいたが ]ハルト、そう怒るな。柊の護花は、我が僕には非ず。そこに手出し出来なんだは本当のことだ。あの娘に届いたのは、私の力ではなく、お前の熱よ。[ 花は陽光を浴びて開くもの、その熱を内に取り込みはしても、自ら熱を産むことはない。それが出来るのは紅蓮の魂を持つヒトの子のみ ]