― 廊下 ―[扉の直ぐ傍に佇む華奢な影に気づく。カシムの部屋から、彼もちょうど出たところだったらしい。背中に異形の翼を持つ少年――のようなその姿。それがソマーニュだろうかと気づいたのは、声掛けられたたった今、だった。] ソマーニュ、か…?[髪の色の話に、異国の香りの紅茶。平穏だった日常が、今は遙か遠く、眩しいものに思える。"似合っている" そう評されて薄く微笑み]