― >>9のあと ―
[医者の先生と別れた後、相手の姿が見えなくなったことを確認し、角の電話ボックスに飛び込んだ。
荷物がつっかえ、イライラしながらも何とか押し込んで扉を閉める。
もどかしげにコインを取り出し、投入口に押し込んだ]
ああ、署長…ええ、その件について、今から教会に
…はい…―――……そうですか。
やはり、無理だと。…駄目です、任意同行では躱されます。
…分かりました。できる限り、そばに。はい…―――
…承知しました。あ、それと別件で、あの新しい情報屋の周り、巡回を増やした方が良いかもしれません…ええ、変質者が…ええ、では、失礼します。
[受話器をおろし、電話機に凭れるようにしてしばらくうつぶせる。
そのままの姿勢で、電話ボックス全体が震えるほど強く、こぶしを壁に打ち付けた]