―回想/昨夜・宿屋―
[以前の酒盛りとは違って程々に酒を呑み気持ち良く酔っぱらっていた。
比較的早めに帰宅しようとしてヤコブに捕まる。「なに?」と惚けた様子でとヤコブに振り返った。]
その気って、なに…。触れ…?
…ッ!
[(>>35)けれどヤコブの冷たい視線に心地よい酔いは一瞬にして冷めた。口元は笑ってるのに目が笑っていない。ずっと長い時間を一緒に生きて来たというのに初めて見る表情だった。オットーが見て来たのは優しいヤコブばかりで、目の前の男を 怖い と思った。]
な、何言ってるんだよ、狼に悪いも良いもあるかよ。
それに筋と骨ばかりの自分は美味くないと思うよ。
[ヤコブ相手に何を怖がる事があると思い直す。苦々しい笑みで何時もの様に冗談を飛ばした。
すぐに涼しい顔で離れてしまった相手。残されたオットーはやけに心臓が煩いのは酔いのせいじゃないのだろうと考えていた。]